大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和23(れ)1513 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

弁護人海野普吉、同位田亮次の上告趣意について。

窃盗罪は他人の実力的支配内にある物を、自己の実力的支配内に移せば既遂とな

るものであつて、犯人が之を自由に処分し得るような安全な地位に置くことを要す

るものではない(当裁判所昭和二三年(れ)第六七五号同年一〇月二三日第二小法

廷判決参照)。

原審挙示の証拠である被告人等の原審公判廷における供述に依れば、被告人等は

本件ワイシヤツを領得する目的で、第A番倉庫から之を持出し他に運んだものであ

るから、既に自己等の実力的支配内に移したものと謂うべきである。而して論旨云

うが如き、それ程必然的に発見せらるるに極つているものならば、被告人等が本件

行為を敢行する訳はないのであるが、それは偖て措くとするも、被告人等がその儘

現場において之を肌に着用して仕舞う等、或いはその他の方法に依り必らずしも必

然的に発見せらるるに極つた関係にあるものとは云えないと見るのが至当である。

論旨は何れにするも理由がない。

仍て刑訴施行法第二条、旧刑訴第四四六条に従い主文のとおり判決する。

此判決は全裁判官一致の意見に依るものである。

検察官 茂見義勝関与

昭和二四年二月八日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

- 1 -

裁判官 藤 田 八 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!