大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和23(れ)2079 判決

主 文

本件上告を棄却する。

但当審における未決勾留日数百五十日を本刑に算入する。

理 由

弁護人鈴木育仙の上告趣意について。

原審が第一回公判期日の当日、被告人のため弁護人を選任し、同日公判審理を行

い結審したことは所論のとおりである。本件のごとき重罪事件について、裁判所が

弁護人を選任するにあたつては、公判期日前、記録を精読する等十分の準備に必要

な時日の余裕をおいて、これを選任することは、裁判所としてまさに採るべき措置

であつて、公判開廷の当日弁護人を選任するごときは、適当の措置といえないこと

は勿論であるが、記録によれば、右公判には弁護人は終始立会い、その審理の進行

について、被告人又は弁護人から異議を述べ、又は、期日の延期若くは弁論の続行

を求めた形述はなく、事実審理、証拠調の後弁護人は弁論をして結審となつている

のである。事件は重罪事件ではあるが、その内容は比較的簡単である。おそらく、

弁護人は右公判の審理に立会うことによつて、十分に事件の全貌を把握し得て、被

告人の弁護に欠くるところないものと信じて、特に弁論準備のための延期変更等を

求めず、直ちに弁論をしたものと推測せられる。かくのごとき場合においても、裁

判所が特に、職権をもつて、期日の変更又は弁論の続行をしない限り、不法に弁護

権の行使を制限したものとするのは当を得ないと云わなければならない。論旨は、

これを採用することができない。

被告人の上告趣意について。

要するに、犯行の動機、犯罪後の心境等を述べ、更生の一歩を踏み出したいから、

寛大な裁判を願うというに帰するのであつて、原判決の法律違背を理由とするもの

でないから、上告適法の理由とはならない。

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よつて、刑訴施行法第二条、旧刑訴第四四六条に従い主文のごとく判決する。

右は全裁判官一致の意見である。

検察官 茂見義勝関与

昭和二四年五月七日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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