大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和23(れ)531 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人荒地孝敏の上告趣意は「一、原審裁判所カ被告人ニ対シ言渡シタル懲役一

年六ケ月並ニ罰金千円ハ事実ノ認定並ニ刑ノ量定ニ於テ誠ニ其ノ当ヲ得サルモノト

思料ス 即チ被告人ハ家族四人ヲ抱へ月収僅カニ金参千円也ナリ 故ニ若シ被告人

カ前記刑ノ執行ニ依リ服役ストセハ其ノ問家族四人ハ現在ノ高物価ノ最中ニ於テ明

日ヨリ生活苦ニ陥入ルコト火ヲ見ルヨリ明カナリ 二、斯ノ如ク被告人ニ対スル刑

ノ執行ニ伴ヒ家族ニ対スル生活権保護ニ付救済方法ナキ今日ニ於テハ宜敷ク裁判所

ハ之等諸事情ヲ参酌シ以テ審理裁判スヘキモノナリ 三、然ルニ原審ニ於テハ之等

諸事実ヲ考慮セスシテ為シタル判決ハ生活権ノ確立ヲ著シク侵害スルト共ニ憲法第

一一条ノ基本的人権ノ尊重ヲ侵害セルモノト思料スヘキヲ以テ茲ニ上告趣意書ヲ差

出候也」と云うのである。

しかし、被告人が実刑を科せられた為めに被告人の家族が生活困難に陥ることが

あつても、その判決をもつて違憲であると言うことはできないことは既に当裁判所

の判例(昭和二二年(れ)第二〇一号昭和二三年三月二四日大法廷判決、昭和二二

年(れ)第一〇五号昭和二三年四月七日大法廷判決参照)としておるのであるから

所論は結局原審の量刑不当を主張するに帰着し、論旨は理由なきものである。

よつて本件上告は理由がないから刑事訴訟法第四四六条に依り主文の如く判決す

る。

この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。

検察官 柳川真文関与

昭和二三年九月一一日

最高裁判所第二小法廷

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裁判長裁判官 塚 崎 直 義

裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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