大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和23(オ)35 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告理由第一点について。

論旨は、本件甲第四号証売買契約証書第七条に関する原判決の解釈はあやまりで

あると主張するものであるが、原判決は同第七条の文理と同証書の全文とに徴して、

同第七条の趣旨を原判示のごとく解釈したもので、これによれば、原判示のごとく

解釈することは、できるのであつて、右解釈について、何ら実験則に反するところ

はないのである。論旨は、自ら同条の約旨に関し、別異の解釈を施して、その前提

に立つて、原判決を攻撃するもので、畢竟、原審の専権に属する証拠の判断、事実

の認定を非難するに帰着するのであつて、上告適法の理由とならない。

同第二点について。

原判決は上告人の民事訴訟法第七五九条にもとづく仮処分取消の申立に対しては、

(一)「被控訴会社(被上告会社)の本件土地宅物を買入れたのは、その支店用と

して、自らこれを使用する目的に出でたものであるからして、今日の経済状勢に鑑

み、本件仮処分の終局の目的は金銭的補償によつては、必ずしも達し難いものと解

するのが、寧ろ、社会の理念に適合した考へ方である」こと。(二)「又、仮処分

債務者たる控訴人(上告人)側にも、特に保証を立てゝ、右仮処分決定を取消して

貰わねばならぬような差迫つた格別の事情も認められない」こと、すなわち、本件

仮処分を維持することによつて、特に異常な損害を債務者側に蒙らしめるという事

情も認められないこと。右(一)(二)の理由に基いて上告人が、原審において、

仮処分取消請求の事由として主張した事実関係は、同条にいわゆる「特別事情アル

トキ」に該当しないものとして、上告人の右取消の申立を排斥したものであること

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は原判文上、明らかである。論旨のいうごとく支店用として使用の目的を達し得る

や否や尚未定であるということは右(一)の認定をするに妨げとなるものではなく、

又、(二)に関する所論は、要するに原判決の事実認定を非難するものに過ぎない

から上告適法の理由とはならない。その他、原判決には所論のごとく同条の解釈を

誤つた違法はない。論旨は理由がない。

以上のごとく、本件上告は理由がないから民事訴訟法第四百一条第九十五条第八

十九条を適用の上、主文のごとく判決する。

右は全裁判官一致の意見である。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 藤 田 八 郎

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