大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和23(オ)96 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告理由は原判決は証拠判断に誤謬あり、即ち原判決は「そして控訴人は右分割

金の支拂については控訴人がもつてゐる鉱山の權利を他に譲渡し、或は事業に成功

した後に支拂う特約があつた、と主張するけれども、この主張を認むるに足る証拠

がないから、右抗弁は理由がない」と判断しをれども、原審は上告人提出の乙第一、

二、三号各証竝証人の証言を看過したるものなり。

事実上告人は五万千円は昭和一六年七月より毎月金三千円宛分割弁済することを

約したるにあらず当時鉱山經営上其の資金に欠乏しをりたる際なりしため上告人主

張の如き条件にて約定したるものなり、尤も証書面には被上告人主張の如き記載あ

るも当事者間には上告人主張の条件に諒解成立したるものなり、然るに上告人の鉱

区は企業整備により休坑其の后廢坑となりたる為め「鉱山の權利を他人に譲渡する

こと」も出来ず「事業成功」も不能となりたる為め支拂不能と為りたる次第なり、

原判決がこの点を容れざりしは甚だ遺憾なり。

かく論ぜは原審の専權に属する証拠判断を批難するものなりとて一蹴せらるべき

も上告人はかく論ずるの外なし敢て論じて以て上告の理由と為すというのである。

しかしながら原判決にあげている証拠によれば原審で認定した通りの事実を認め

ることができる。上告人の主張する特約の存在は原判決は、これを認める証拠がな

いと判示したのであつて、その認定にも論旨の主張するような違法がありというこ

とはできない。論旨は結局原審の専権に属する証拠の取捨判断乃至事実の認定を非

難するにすぎないものであつて、上告適法の理由とならない。

よつて民事訴訟法第四〇一条第九五条第八九条により主文のとおり判決する。

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右は全裁判官一致の意見である。

最高裁判所第二小法廷

裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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