大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和23(マ)6 決定

主 文

本件申請を却下する。

申請費用は申請人の負担とする。

理 由

本件申請の理由は、仙台高等裁判所昭和二十二年(ネ)第十二号仮処分取消事件

について、同裁判所が昭和二十三年三月二十四日言渡した判決に対し申請人は適法

に上告の申立をなしたが、事件は結局において申請人の勝訴になるものと確信して

いるのに、被申請人等は既に右判決の仮執行の宣言にもとづきその判決の一部を執

行したが、その執行の目的物は現に申請人が診療のため使用中の診療室及び病室で

あるのでこの執行によつて蒙むる影響は単に申請人の私益のみでなく広く一般患者

に不測の迷惑を及ぼすことになるから、右判決の執行の停止及び既になした執行の

取消を求めると言うのである。

よつて当裁判所は右上告事件の記録及びその上告理由書について、申請人が上告

をもつて主張する事情が法律上理由あると見えるかどうかにつき、一応審査を遂げ

て見たのであるが、該審査の範囲では理由があるようには見えないのである。この

ような場合には、裁判所は民事訴訟法第五百条に言う強制執行の停止又はなしたる

強制処分の取消はこれを命ずべきものでないと解するから、本件申請はこれを却下

すべく、申請費用については申請人に負担させて主文の通り決定する。

右は裁判官全員の一致した意見に依るものである。

昭和二十三年六月二十六日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 塚 崎 直 義

裁判官 栗 山 茂

- 1 -

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!