大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和24新(れ)178 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人阿比留兼吉の上告趣意は末尾添附の別紙記載のとおりである。

同第一点について。

所論の要旨は、検察官に対する被告人の第一回供述調書の供述は、任意になされ

たものでない疑のある被告人の自白である。故に、これを証拠とすることに被告人

が同意したからといつて、その自白が任意にされたものであるとの証明がないのに

これを犯罪事実認定の証拠とした原判決は憲法第三八条第二項に違反するというの

である。しかし、所論検察官に対する被告人の第一回供述調書を証拠として被告人

の犯罪事実を認定したのは、本件第一審判決であつて、原判決ではない。原判決は、

被告人側の控訴趣意は何れも理由ないが第一審判決には、事実の確定に影響を及ぼ

さない法令の適用に違法があるとして第一審判決を破棄し第一審判決が確定した事

実に対し改めて法令の適用を示し、刑の言渡をしたに過ぎない。してみれば所論は

第一審判決に対する非難であるといわなければならない。しかも、右検察官に対す

る被告人の第一回供述調書の自白は任意性のないものであるとのことは、原審に対

する控訴趣意としてはこれを主張せず従つて原判決は、右の事由については何等判

断を与えていないところである。控訴審において控訴趣意として、主張せず従つて

原判決で何等判断されなかつた点について、第一審判決に憲法違反の瑕疵があると

攻撃するにすぎない主張は、上告適法の理由とならない(昭和二四年新(れ)第四

九二号、同二五年五月一九日第二小法廷決定、昭和二四年新(れ)第五九号同年一

二月一二日第二小法廷決定参照)から論旨は採用できない。

同第二点乃至第四点について。

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所論は何れも、刑訴第四〇五条に規定する事由にあたらないこと明らかである。

よつて論旨は何れも上告理由として不適法のものであり又本件については刑訴第

四一一条を適用すべきものとも認められないから、刑訴第四一四条、第三八六条第

一項第三号、第一八一条を適用して主文のとおり決定する。

右は裁判官全員一致の意見である。

昭和二六年三月九日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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