大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和24(つ)14 決定

主 文

本件特別抗告を棄却する。

理 由

弁護人増田弘の抗告理由について。

原裁判所が、弁護人の異議があつたに拘らず証拠調をした所論の書面は、いずれ

も司法警察職員の作成した捜査報告書である。右書面は被告人以外の者が作成した

供述書で、供述者の署名、押印はあるが、刑訴第三二一条第三二四条所定の証拠と

することのできる要件は一つも具えていない。検察官は右書面は刑訴第三二三条第

一項第一号の書面であると主張するが、同条の書面は、その成立並に内容において

信用度が特に高い書面であるから、これを証拠とすることができるものとしたので

あるから、本件警察職員の作成した捜査報告書の如きものは、右第三二三条所定の

書面に該当しないことは明かである。してみれば、右書面を弁護人の異議があつた

に拘らず、これを受理し証拠調をすることは違法である。従つて、右証拠調に関し

弁護人から異議の申立があつた場合には、刑訴規則第二○六条によつて右書面を証

拠から排除する決定をしなければならないに拘らず、原裁判所は、その措置に出で

ず弁護人の異議申立却下の決定をしたのであるから、原決定は刑訴法上の違法があ

ると云わなければならない。

たゞ、抗告人は、原決定は、憲法第三七条第二項の規定に違反すると主張するの

であるが、同条同項の意義については、既に当裁判所の判例の示すところであつて

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(昭和二三年(れ)第一六七号同年七月十九日大法廷判決)本件のごとき捜査報告

書について、事実審裁判所が証拠調に関する異議の申立を却下したことの適否のご

ときは右憲法の条項の関知するところでないことは、前記判例の趣旨に徴し明瞭で

ある。

しからば、本件抗告は畢意名を違憲に藉りて実は単なる刑訴法上の違法を主張す

るものに過ぎないのであるから当裁判所に対する特別抗告の適法要件を欠くものと

いわざるを得ない。

前掲大法廷判決に対する栗山裁判官の反対意見は同判決に示された通りである。

よつて刑訴第四三四条第四二六条第一項により主文の如く決定する。

この決定は裁判官全員一致の意見である。

昭和二四年四月二五日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

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裁判官 藤 田 八 郎

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