最高裁判所第二小法廷 昭和24(れ)11 判決
主 文
本件各上告を棄却する。
理 由
弁護人小林為太郎上告趣意第一点について。
記録を閲すると、所論原審における第一回公判期日と第二回公判期日との間に、
十五日以上の経過のあつたこと及び、右第二回公判期日において審理の更新をした
旨の公判調書の記載のないことも所論指摘のとおりである。しかし審理の更新は前
回までの公判に現われた事実及び証拠が裁判官の記憶から遠ざかる恐れがあるので、
審理更新の手続をしなければ先の公判において審理された事実及び証拠を判決の基
礎とすることを禁ずるとする趣旨に出でているのである。然るに所論原審第二回公
判期日は、当日取調べる予定の証人が召喚手続不備に因り出頭しなかつたため、次
回公判期日を指定しただけで審理に入らず閉廷されたものであることは、当該公判
調書により明瞭である。従つて所論第二回公判期日には敢て審理更新の手続を要す
るものでないことは喋辞を用いない。しかしその次の第三回公判期日には審理更新
を行つていること当該公判調書により明確である。論旨は理由がない。
同第二点について。
死刑が憲法第一三条同第三六条の趣旨精神に反しないことは、当裁判所屡次の判
例とするところである。亦所論憲法第九条の所謂戦争拠棄の宣言の規定は、死刑の
存廃に何等関連のある規定でないことは、多弁を要せずして明らかである。そして、
却つて所論引用の憲法第三一条は、死刑制度の憲法上適法であることを窺知し得る
に十分の規定である。所論は違憲に名を藉り、死刑廃止に関する独自の論議と云う
の外はない。論旨理由なし。
仍つて刑訴施行法第二条、旧刑訴法第四四六条に従い主文のとおり判決する。
此判決は裁判官全員一致の意見である。
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検察官 茂見義勝関与
昭和二四年六月四日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 霜 山 精 一
裁判官 栗 山 茂
裁判官 小 谷 勝 重
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