最高裁判所第二小法廷 昭和24(れ)1288 判決
主 文
本件各上告を棄却する。
理 由
弁護人原玉重、大山菊治の上告趣意第一点について。
証拠の取捨は、事実審たる原審に任されているところであるから、原審が判示第
二の犯罪事実を認定する証拠として原審公判における被告人の供述を採用せず、第
一審公判における被告人の供述を採用したことをもつて違法であるとする論旨は理
由がない。又証拠の信憑力の有無も事実審がその自由裁量をもつて決すべきところ
であるから、右第一審公判における被告人の供述の信憑力を争う論旨も採用するに
足らず、勾留中の供述であるからといつて当然に信憑力のないものとはいえないし、
右供述が強制にもとずくものであるということは、本件において、これをみとめる
証跡はない。論旨はすべて採ることができない。
同第二点について。
原判決が所論盗難被害届の外判示第二の犯罪事実を認定する証拠として挙げたと
ころを綜合すれば、同判決摘示の被害物件の数量を認定することができる。たとえ
盗難被害届中被害物件の数量の記載に、判示被害物件の数量と所論のような僅少の
差異がありとしても、右盗難届の記載が判示犯罪事実に照応するものと認定する妨
げとなるものではない。論旨は理由がない。
同第三点について。
本件において、原審の科刑が実験則に反してなされたとみとめるべき根拠はなく、
論旨は、要するに原審の量刑の不当を主張するに帰着するのであるが、かゝる主張
は、適法な上告の理由とすることはできない。
よつて刑訴施行法第二条、旧刑訴第四四六条に従い、主文のとおり判決する。
右は全裁判官の一致した意見である。
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検察官 橋本乾三関与
昭和二四年九月二四日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 霜 山 精 一
裁判官 栗 山 茂
裁判官 藤 田 八 郎
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