大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和24(れ)2088 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人池辺甚一郎の上告趣意第一点について。

証拠調の限度は事実審たる原審の自由裁量をもつて決し得るところである。事実

審が必要でないと認めた証拠申請を却下することは、憲法第三七条二項に反するも

のでないことは既に当裁判所の判例とするところである。(昭和二三年(れ)第八

八号、同年六月二三日大法廷判決)

同第二点について、

Aは、第一審公判において、証人として訊問せられ、其際被告人は同証人を直接

訊問する機会を与えられているのであるから、原審においては、同人に対する訊問

申請を却下して右第一審における同証人の訊問調書を証拠としても、これを以て所

論のごとく、刑訴応急措置法第一二条一項に違反するものとすることはできない。

(昭和二三年(れ)第七一号、同年六月一〇日第一小法廷判決参照)

同第三点同第四点第五点について。

原判決の認定する事実によれば、傷害の罪に該当することは疑なく、原判決挙示

の証拠によれば、右の事実関係を認定することができる。本件は原判示のごとく喧

嘩の場合であつて、正当防衛の観念を容れる余地はなく、弁護人も、原審において、

正当防衛の主張をした形跡は認められない。従つて、原判決に所論のような審理不

尽、判断遺脱等の違法はない。

同第六点について。

刑法第五六条、第五七条の累犯加重の規定は、憲法第三九条に違反するものでな

いことは、当裁判所の判例とするところである。 (昭和二四年一二月二一日、同

年(れ)第一二六〇号大法廷判決)論旨は理由がない。

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同第七点について。

原判決が、証拠とした第一審公判調書中証人Aの供述記載中には、判示に照応す

る被害顛末の記載があることは同調書に照し明らかである。論旨は理由がない。

同第八点について。

証拠調の限度は原審の裁量権に属するところであるのみならず、所論領収証のご

きは証拠書類として提出されたものとも認められない。原審が右書類につき取調を

しなかつたとしても、所論のごとき違法あるものとはいえない。

よつて、刑訴施行法第二条、旧刑訴第四四六条に従い主文のとおり判決する。

右は、全裁判官一致の意見である。

検察官 茂見義勝関与

昭和二五年四月二八日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官栗山茂は出張中につき、署名押印することができない。

裁判長裁判官 霜 山 精 一

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