大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和24(れ)2298 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人石黒忍の上告趣意について。

原判決は被告人の自白のみによつて判示事実を認定したものではなくて、その自

白の外にAに対する検事の聴取書とB、C各提出の盗難被害届とを綜合して判示事

実を認定したものであることは記録上明白であり右証拠によつて優に判示事実を認

定するに足るものであるそして被告人の自白を補強する証拠は犯罪構成要件の一つ

一つについて必要とするものではなく補強証拠と自白とで犯罪事実全体について十

分な心証を与へうればよいのであるが仮りに所論の如く被告人が一審相被告人D外

数名と判示窃盗を共謀したという事実に対する証拠としては被告人の自白以外には

ないとしても、かゝる犯罪の主観的要件に該当する事実のごときはこれを認定する

の証拠としては被告人の自白の外に補強証拠を必要としないものというべきである。

(昭和二三年六月九日宣告昭和二二年(れ)一五三号事件大法廷判決参照)

従つて原判決が憲法三八条三項刑訴応急措置法一〇条三項に違反するという論旨

は理由がない。

よつて刑訴施行法二条旧刑訴法四四六条に従い主文のとおり判決する。

この判決は全裁判官の一致した意見である。

検察官 岡本梅次郎関与

昭和二四年一二月二四日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 粟 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

- 1 -

裁判官 藤 田 八 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!