大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和24(れ)2910 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人長谷川寧の上告趣意第一点について。

民生委員は地方長官の推薦によつて厚生大臣がこれを委嘱する名誉職であり(昭

和二一年九月一二日勅令第四二六号民生委員令第四条第五条参照)その職務は生活

保護法第五条生活保護法施行令第一条民生委員令第七条に規定されているのであつ

て要保護者に支給すべき給与金品の伝達事務はその職務に属しない、給与金品の支

給は市町村長の職務に属するものであることは生活保護法第四条の規定によつて明

かである。しかし刑法第二五三条にいわゆる業務とは法令によると慣例によると将

た契約によるとを問わず苟も一定の事務を常業として反覆する場合を指称するので

ある。従つて本件において判示給与金品の伝達事務が被告人の民生委員としての法

令上当然の業務でなくても判示a村において判示日時以降民生委員を通して給与金

品を支給されることになり被告人が民生委員としてその事務を担当するに至つた事

実のある以上その事務は被告人の業務と解すべきである。原判決の挙示する証拠に

よれば被告人が民生委員として判示給与金品を伝達する業務を担当していたもので

あることを肯認するに十分であるから原判決が被告人の判示所為を業務上横領罪に

問擬したことは正当であつて論旨は理由がない。

同第二点について

原判決は挙示の証拠によつて被告人の本件行為が領得の意思の下に為されたもの

であることを確定しているのであつて所論は原審の裁量に属する証拠の取捨事実の

認定を攻撃するに帰し適法の上告理由とならない。

同第三点について。

所論は要するに短期自由刑の弊を主張して原判決が被告人に対し懲役三月の実刑

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を科したことを攻撃するにあるが量刑は専ら原審の自由裁量に委ねられているので

あつて原審の量刑をもつて正義に反するものとは到底考えられない。論旨は適法の

上告理由とならない。

よつて刑訴施行法第二条旧刑訴第四四六条により主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見である。

検察官 小幡勇三郎関与

昭和二五年三月二四日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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