大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和24(れ)44 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

弁護人岡利夫の上告趣意第一点について。

原判決は、被告人Aの判示の所為は、Bとの喧嘩斗争のため、その斗争の過程に

おいてなされたものであることを認定しているのであつて、喧嘩斗争の過程におい

て為される相互の反撃行為は、正当防衛の観念を容れないものであつて、(昭和二

三年七月七日、同年(れ)第七三号―大法廷判決参照)これと同趣旨の判断を示し

た原判決に所論のごとき違法ありとは云えない。論旨は原判決の事実の認定を非難

し、原判決の認定せざる事実を主張し、これを基礎として、独自の見解に基いて、

原判決の判断を攻撃するものであつて、これを採用することはできない。

同第二点について。

原判決は、被告人両名のBに対する反撃行為は、右両名の共同加功の意思連絡の

下になされたものである事実を認定しているのであつて、所論は畢竟、原判決の右

事実の認定を非難するに帰着するのであるから、上告適法の理由とはならない。

弁護人戸田基の上告趣意第一点及び同第二点について。

本件は判示のごとき傷害致死の事実について、公訴が提起せられ、原審は右事実

を認定した上、之に対し刑法の当該規定を適用処断したのであつて、かりに、本件

の喧嘩斗争が、所論のごとく、決斗にあたるものとしても、決斗によつて人を殺傷

した者は、刑法の各本条によつて、処断せられることは、明治二二年一二月三〇日

法律第三四号決斗に関する件第三条の規定するところであるから、原審が本件の傷

害致死の事実につき、刑法の規定を適用したことをもつて、違法なりとする何らの

根拠はないのみならず、右の事実以外に、決斗罪に該るべき事実の存在は、原審が

これを認定しなかつたのであつて、所論被告人Cの所為については、原判決は、こ

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れを被告人Aの所為と共同正犯の関係にあるものと認定したことは前段説明のとお

りであるから、原審が本件において、決斗罪の立会介添に関する法条を適用しなか

つたのは当然である。(但、本件が喧嘩斗争による傷害であることは、原判決の認

定するところであり、その犯情として、原審がこれを考慮に入れていることは原判

文上、おのづから、あきらかである。)その余の論旨は要するに原審の事実の誤認、

量刑の不当を主張するものであつて、適法な上告の理由とならない。

よつて、刑訴施行法第二条、旧刑訴第四四六条に従い主文のとおり判決する。

右は、全裁判官一致の意見である。

検察官 茂見義勝関与

昭和二四年六月二五日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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