最高裁判所第二小法廷 昭和24(オ)110 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告理由第一点について。
原判決は、上告人(控訴人)は本件示談は、本件物件の公定価格がさきに上告人
の提出した返還訴訟の提起当時における価格と変動のないことを条件として締結さ
れたものであると主張するけれども、上告人提起の証拠によつては右の事実を認め
ることはできないのみならず、却つて原判示各証拠によれば、右示談については、
上告人主張のような当時公定価格に変動のないことを条件とした事実がないことを
認めることができるとして、右条件の存在を前提とする上告人の請求を排斥したこ
とは原判文上明らかである。所論は、要するに原審の右事実上の判断を非難するの
であるが、右原判決の事実の認定には所論のような社会通念に反して事実を認定し
た違法のあることは、認められない。論旨は理由がない。
同第二点について。
原判決は前叙のごとく、本件示談における上告人主張の条件の存在を否定し、よ
つて、上告人の本件示談は要素に錯誤ありとの主張を排斥したのであつて、所論の
事実は、右示談の要素となつていなかつたものと判断したことは、該判旨自体から
明らかである。論旨は理由がない。
同第三点について。
原判決が、証人Dの証言によつて、所論の事実を認定した点について、所論のご
とき条理に反し取引の通念に背反した違法あるものとみとめることはできない。論
旨は理由がない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、主文のとおり判決する。
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右は、全裁判官一致の意見である。
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 霜 山 精 一
裁判官 栗 山 茂
裁判官 小 谷 勝 重
裁判官 藤 田 八 郎
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