大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和24(オ)200 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告理由第一点について。

本件訴状における「請求の趣旨」「請求の原因」並びに同附属「物件目録」の記

載を対照し、かつ第一審並びに原審口頭弁論調書の記載を仔細に検討すれば原告(

被上告人)が本訴において請求の趣旨として主張するところは、右目録記載の物件

の全部について、被告(上告人)の占有にあるものはその現物の引渡を求め、現に、

右占有に属しないものについては(単に、所論のような金五万七千七百円に限定せ

ず、)各物件について、一々、同目録「見積金額」欄に記載した価額の賠償を求め

る趣旨であることを窺知することができる。とすれば、右請求の趣旨に添う原判決

には何ら所論のような民訴一八六条違反の違法ありということはできない。論旨は

理由がない。同第二点について。

本訴における請求の趣旨は、第一点説示のごとく現に、上告人の占有にある物に

ついて現物の引渡を求める趣旨であるところ所論軍刀については、前記各書類の記

載を綜合すれば、さきに、被上告人はこれをも他の物件と共に上告人方に送付した

ものではあるが、右は現に上告人方には存在しないと主張し、かつ、特に該物件に

ついては、その見積価額をも物件目録に計上していないのであつて、即ち、右軍刀

については、被上告人は現物の引渡もその価額の賠償も、いずれをも請求しない趣

旨を明らかにしていることが判るのであつて、第一審判決が右軍刀をもその目録に

記載したのは訴状添付の物件目録をそのまま判決に流用したことに原因する誤りで

あつて、要するに判決の誤記と目すべく、職権又は申立により訂正することができ

るものと解すべきである。しからば、所論は恰かも的なきに矢を放つに帰するので

- 1 -

あつてこれを採用することができない。

よつて、民訴三九六条、三八四条、九五条、八五条を適用して、主文のとおり判

決する。

右は、全裁判官一致の意見である。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!