最高裁判所第二小法廷 昭和24(オ)249 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人弁護士土家健太郎上告理由第一点について。
原判決の挙示する証拠によれば、所論原判示事実が認められないことはなく、右
事実の認定が実験則に反するものとは認められない。所論は結局原審の自由採量に
属する証拠の取捨判断及び事実の認定を非難するものであつて、採用に値しない。
同第二点について。
所論は、本件和解契約の解釈に関する原審の判断を争うか又は原審の証拠の取捨
判断を非難するに帰し、結局原審の事実認定を攻撃するものであるが、原判決の挙
示する証拠によれば所論原判示の事実が認められないことはなく、その間所論のよ
うな採証の法則又は実験則に反する点は認められない。又論旨は被上告人の訴外D
に対する金八千円の弁済の提供は、債務の本旨に従つたものではないと主張するけ
れども、右金員の弁済につき被上告人に履行遅滞の責がある等特別の事情があれば
格別、上告人が原審において、かかる事情につき何等主張したことの記録上認めら
れない本件において、貨幣価値の下落した一事により、直ちに前記弁済の提供を以
て債務の本旨に従わないものということはできないから、この点に関する論旨も亦
採るを得ない。
なお右上告代理人より、続上告趣意書と題する書面が提出されているが、右書面
は上告理由書提出期間経過後の提出にかかるものであるから、同書面記載の上告理
由については判断すべき限りでない。
よつて民訴四〇一条、九五条及び八九条を適用し、裁判官全員一致の意見により、
主文のとおり判決する。
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最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 霜 山 精 一
裁判官 栗 山 茂
裁判官 小 谷 勝 重
裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 谷 村 唯 一 郎
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