大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和24(オ)334 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告理由第一、二点について。

自作農創設特別措置法三〇条によれば、政府は、自作農を創設し、又は農業上の

利用を増進するため必要があるときは、農地及び牧野以外の土地で農地の開発に供

しようとする土地を買収することができる旨を規定しているに止まり、その他、買

収土地選択の基準については何等規定するところはない。所論農林省の開拓適地選

定基準のごときは、本件買収計画におくれること約一年昭和二四年一月に定められ

たものであるのみならず、これは単に行政庁内部の事務取扱いに関する基準であつ

て、法規たる効力を有するものでなく、これに違反したからといつて、直ちに、買

収計画を違法ならしめるものということはできない。原判決の確定するところによ

れば、本件土地はいずれも同法にいわゆる未墾地に該当すること、これを開発すれ

ば畑の適地であつて、一般作物又は蔬菜の栽培可能であること、本件土地所在地た

る大字aの字bの農家は耕地不足に悩み、各々増反を熱望し、そのため開拓適地た

る本件土地の未墾地買収を申出た者もあり、農家経済の安定を図るため耕地面積増

加の必要に迫られ本件土地買収計画の樹立となつたものであることが明らかである。

以上原判決認定の事実によれば、被上告人B村農地委員会が本件土地を同法三〇条

に基き未墾地買収の対象とし本件買収計画を立てたことは何ら違法でないと云わな

ければならない。前記農林省基準に合致しないから右買収計画は違法であるとの主

張はそれ自体理由のないこと前段説明のとおりであるのみならず原判決が本件土地

は、右基準による開拓適地として選定するを得ないとする理由を発見することがで

きないとした点においても、何等所論のような過誤をみとめることができない。(

- 1 -

本件土地が所論のような優良林であることは、上告人が原審において何等主張立証

しないところであり、その他各論旨はいずれも上告人独自の見解にもとずいて、原

判決の認定、判断を攻撃するもので採用に値しない)

よつて民訴四〇一条、九五条、八九条に従い全裁判官一致の意見により主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!