大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和24(オ)355 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負擔とする。

理 由

上告理由第一点について。

原判決の趣旨は所論証人Dの証言、被控訴人本人の供述はこれを措信することは

できない。右証拠を外にしては判示被控訴人主張の事実を認めるに足る証據はない

というにあることは原判文上明かである。論旨は原判決の趣旨を誤解するものであ

つて理由はない。

同第二点について。

証據の取捨判断は裁判所の自由な心証によるものであるから第一審が採用した証

拠を、原審が排斥することを妨げるものでなく又その場合、裁判所は特に当事者に

対し、他の証拠方法の提出を促す義務あるものとは解されないから論旨は理由がな

い。

同第三点について。

被上告人に所論のような過去の事実並びに現在調度品を相当にもつているという

事実から直ちに被上告人の轉住家屋の入手は困難でないと判断しなければならない

ものではないのであつて所論原判示に経験則に反するとか理由不備の違法あること

は認められない。

同第四点について。

原審は口頭弁論の全趣旨から所論の事実を認定したのであつて、所論甲号証及び

原審における上告人の供述は必ずしも右認定を妨げるものではないのであるから、

原判決に所論のような違法は認められない。

同第五点、第六点について。

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上告人の本件解約申入について借家法第一条ノ二の「正当事由」の有無を判断す

るに当り、上告人が現住家屋について切迫した明渡の請求をうけていない事実を認

定し、該事実から賃貸人である上告人は一応現住家屋で住居の安定を得ているもの

とし他面、賃借人である被上告人側において、移轉先を求めることが困難であると

いう原判示のような事情があることを認定して、上告人の本件解約申入に「正当事

由」がないものとした原判決は相当というべきであつて所論のような違法あるもの

とすることはできない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、全裁判官一致の意見により主文

のとおり判決する。

最高裁利所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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