大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和25(あ)1097 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人加藤謹治の上告趣意について。

原判決は被告人が犯行当時心神耗弱の状態にあつたことを認定しているのに対し、

当時心神喪失の状態にあつたことを主張する所論は、原判決の事実誤認を非難する

に過ぎず、刑訴法四〇五条所定の事由に当らないから、上告適法の理由とならない。

また原審の公判手続中被告人が心神喪失の状態にあつたとの所論については、記録

に徴してもその事実を認めることができないのみならず、原審弁護人も原審におい

てこれを主張した形跡はない。従つて原審が公判手続を停止しないで審判したこと

に違法はない。論旨は憲法違反を主張するけれども、その前提とする原審の訴訟手

続違背がないのであるから、所論は結局刑訴法四〇五条所定の事由に当らず、上告

適法の理由とならないものというべきである。また記録を精査しても本件につき刑

訴法四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて刑訴法四一四条、三八六条一項三号に従い、裁判官全員一致の意見により、

主文のとおり決定する。

昭和二六年六月一五日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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