大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和25(あ)1475 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人宮下文夫の上告趣意第一、二点について、

第一審判決が挙示し、原判決が是認した証拠を綜合すれば、第一審判決の判示事

実はこれを認めるに十分である。なるほど、右挙示の証拠中、被告人とA某との共

謀の事実に関するものとしては所論のとおり被告人に対する検察官作成の第二回乃

至第四回供述調書中の供述記載をおいて他に存しないが、かかる犯罪事実の一部を

被告人の自白のみで認定しても違法でないことは当裁判所の判例とするところであ

る(昭和二三年(れ)九四七号、同年一〇月二一日第一小法廷判決)。而して第一

審判決は、被告人の右自白の真実性を保証するものとして、他の証拠(証人B、同

C、同D、同E、同F、同G、同Hの各証言)を挙げているのであるから、憲法三

八条三項違反及び刑訴法三一九条二項に関する判例違反の主張はその前提を欠き採

用するを得ない。

同第三点について、(但し、憲法三六条とあるは三七条の誤記と認める)

第一審判決がその証拠説示にあたつて、被告人の前科調書の記載を引用したのは、

判示冒頭掲記の如く、本件犯行の情状を示す意味において、被告人に執行猶予の前

科があり、その猶予期間中であるとの事実に対応させる趣旨と解するのが相当で、

右前科の事実をもつて本件窃盗の犯罪を認定する証拠として引用したものとは認め

られないのみならず、憲法三七条第一項にいわゆる「公平な裁判所の……裁判」と

は、裁判所の組織構成が法律上公平な裁判所という趣旨と解すべきことは、既に当

裁判所の判例とするところである(昭和二三年(れ)第五九号、同年六月二日大法

廷判決)から、右論旨もまた採用の限りでない。

その他記録を精査しても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

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よつて刑訴四〇八条により主文のとおり判決する。

この判決は、裁判官全員一致の意見である。

昭和二七年五月一六日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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