大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和25(あ)2676 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

弁護人樫田忠美、同小川益太郎の上告趣意第一点について。

原判決は被告人Aが被告人Bに対し合計金八万円を選挙運動の報酬並に資金とし

て供与し、Bはこの趣旨の下に右金員の供与を受け右金八万円は全部Bの所得に帰

したものと判示しているのであつて、右両人が共謀の上衆議院議員選挙法一一二条

一項一号所定の供与罪に該当する供与をしたと判示したものでないことは原判決で

明である。然るに論旨は独自の見解に立つて原判決が認定していない共謀の事実が

あつたという解釈の下に、前記供与罪を共謀した場合に関する大審院判例(論旨引

用第一判例)又は同罪の共犯の成否に関係のない大審院判例(論旨引用第二判例、

同判例は同条項五号所定の交付者と受交付者との関係は必要的共犯である趣旨を説

示したものと解すべきである。)を引用して原判文は右大審院判例に違反するもの

と主張するに過ぎない。次に論旨は原判決が被告人Bから金四千百円を追徴するを

以て相当とすると判示したのに対し、右金額の追徴は大審院判例(論旨引用第三判

例。同判例は収受した金額中に実費と報酬とが包含している場合に関するものであ

る。)に違反すると主張するのであるが原判決は前記金八万円はBが選挙運動の報

酬並に資金として不法に収受した金員であると認定したものであることは前記のと

おりであつて、その内に実費が包含されているとは認定していないのである。従つ

て論旨援用の各判例はいづれも本件に適切でなく、論旨は採用することができない。

同第二点について。

論旨は衆議院議員選挙法一一四条が所論引用の憲法各条項に違反すると主張する

ものではなく、同条の適憲性を前提として、被告人Bに没収及び追徴を言渡した原

判決の同選挙法違反を主張するに帰するものであるから刑訴法四〇五条に該当しな

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い。

上告趣意第三点乃至第七点について。

記録を精査しても刑訴四一一条を適用すべき場合とは認めることができない。

よつて、刑訴四〇八条により主文のとおり判決する。

この判決は全裁判官一致の意見である。

昭和二六年三月一六日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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