大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和25(あ)2685 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における未決勾留日数中九〇日を本刑に算入する。

当審にける訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人淺沼澄次の上告趣意について。

記録によつてみると被告人は第一審において犯罪事実を自白し詐欺の犯意を否認

しなかつたのである。それゆえ控訴審において被告人は詐欺の犯意を否認し弁護人

から所論証人三名を申請して事実の取調を求めたとしてもそれは訴訟記録及び第一

審で取り調べられた証拠に現われていない事実についての証拠の取調請求であるか

ら結局刑訴三九三条一項本文にいわゆる職権による事実の取調を求めたにすぎない

のである(原審公判調書にも弁護人は職権を以て(一)証人A(二)同B(三)同

Cの各取調ありたい旨述べたと記載されている)。従つて弁護人から右のように職

権発動を促された場合に裁判所がこれを却下しても何等刑訴の手続に違反しないも

のである。そして憲法三七条二項前段は裁判所が必要と認めない者まで証人として

職権で喚問し被告人に直接審問の機会を与えなければならないという意味でないこ

とは当裁判所の判例(昭和二二年(れ)第二五三号同二三年七月一四日大法廷判決

判例集二巻八号八五六頁参照)とするところであるから原審が前記のように証人申

請を却下したからといつて右憲法の規定に違反するものであるということはできな

い、それゆえ論旨は理由がない。

よつて刑訴四〇八条、一八一条刑法二一条により主文のとおり判決する。

右は裁判官全員一致の意見である。

昭和二六年五月一一日

最高裁判所第二小法廷

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裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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