最高裁判所第二小法廷 昭和25(あ)2867 判決
主 文
本件上告を棄却する。
当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
理 由
被告人並びに弁護人位田亮次の上告趣意(後記)は、刑訴四〇五条の上告理由に
当らない。なお、記録によれば原審においては、原審弁護人のみならず被告人も控
訴趣意書を提出しているに拘わらず原判決は弁護人提出の控訴趣意書についてのみ
判断を下しているにすぎないこと所論の通りであるが、被告人の控訴趣意書の内容
と原審弁護人の控訴趣意書の内容を比較検討してみると、右はいずれも第一審判決
の量刑の不当を主張するものであり、被告人の控訴趣意書の内容は、実質的には、
原審弁護人の控訴趣意書の内容の一部として内包されていることが明らかであつて、
原判決が右弁護人の控訴趣意書について判断し「這般の事情を看れば被告人は執行
猶予の判決を受けながら何等改悛の情なく本件の犯行を為したものと認められるか
ら原審が被告人に対し懲役二年の実刑を科したのは、寔に相当というべく」との結
論を示している以上、実質的には被告人の控訴趣意書に対しても判断がなされてい
るものと見るを相当とする。のみならず、本件は刑訴四一一条により原判決を破棄
しなければ著しく正義に反するものとは認められない。
よつて同四〇八条、一八一条により主文のとおり判決する。
この判決は、裁判官全員一致の意見である。
昭和二六年三月一六日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 霜 山 精 一
裁判官 栗 山 茂
裁判官 小 谷 勝 重
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裁判官 藤 田 八 郎
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