大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和25(し)66 決定

主 文

本件特別抗告を棄却する。

理 由

特別抗告人諏訪榮次郎の抗告理由第一点について。

然し憲法第三七条第一項にいわゆる公平な裁判所の裁判とは組織構成において偏

頗の惧れのない裁判所の裁判をいうのであつて個々の事件において被告人の側から

みて不利益な裁判がなされたからといつてその裁判を目して右憲法の条項に違反す

るとなすを得ないこと当裁判所の判例とするところである。しかも本件において原

決定は前橋地方裁判所太田支部の係裁判官は被告人が同裁判所の定めた保釈の条件

に違反し罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるものと認めてさきにした

保釈を取消したもので本件記録にあらわれた各証拠に徴すれば右認定は相当と認む

べく、なお被告人に対する恐喝等被告事件の審判手続に所論の瑕疵があつても本件

保釈取消決定に影響を及ぼさないこと明らかであると判断しているのであつて原決

定には何等の違法なく所論は結局独自の見解に基いて原審の専権に委ねられた事実

の認定を非難するに帰し採用できない。

同第二点について。

所論は原決定は憲法に違反するからといつているがその実質は結局本件保釈取消

決定の基礎となる事実関係の存否に関する認定の当否を争うものに過ぎないもので

刑訴四三三条所定の特別抗理由にあたらない。

よつて同四三四条四二六条に従い全裁判官一致の意見により主文のとおり決定す

る。

昭和二六年五月四日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

- 1 -

裁判官 栗 山 茂

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

裁判官小谷勝重は出張につき署名押印することができない。

裁判長裁判官 霜 山 精 一

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