大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和25(れ)1156 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人柴田武、同花岡隆治上告趣意第一点について。

所論は原判決認定事実中、盗賍であること及び被告人が右盗賍を買受けまたは寄

蔵するに際し、盗賍知情の点に関し、何れも証拠なくして事実を認定した審理不尽

の違法があると主張するのである。しかし、原判決挙示の証拠中、Aに対する検事

聴取書の記載によれば、右二点とも優にこれを肯認できるのであるから、論旨は理

由がない。

所論は更に本件盗賍の窃盗犯人であるAの供述のみで、物の盗賍性を認定するこ

とは違法であつて、更に他にこれを裏付ける証拠を必要とするものであると主張す

るのである。成る程、かゝる場合他に裏付け証拠の存在することに優るものはない

のであるけれども、それだからとて、常に盗犯者の供述のみによつては、物の盗賍

性を認定することは違法であるとする根拠はなく、且つこの事は経験法則にも違背

するとは考えられず、結局は事実承審官の証拠判断の問題にも帰着するものという

べきであるから、この点の論旨も採用し難い。

同第二点について。

原判決挙示の証拠によれば判示事実を認め得るところであり、且つこの間所論の

如き採証法則違反のような違法は認められない。所論は結局原審の採用しない他の

証拠を挙げて原判決の事実認定を非難するものであつて、原審の自由心証事項であ

る証拠の取捨判断を争うことに帰着するものであるから、論旨は理由がない。尚原

判示第二の事実の窃盗の日時が被害者の盗難届の記載日時と異なるというのである

が、原審は右盗難届の記載を証拠にしているわけではなく、Aの判示同旨の日時の

供述を証拠にしているのであるから、この点の論旨も理由がない。

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よつて刑訴施行法第二条旧刑訴法第四四六条に従い、主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。

検察官田中己代治関与

昭和二五年一一月一七日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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