大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和25(れ)1205 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人長崎祐三の上告趣意第一点について。

原判決判示事実は被告人が犯意のないAに対し判示のように申向け同人をして窃

盜実行の決意を生ぜしめ判示の各窃盜をなさしめたとの趣旨であること判文自体自

ら明らかであるから原判決が被告人の判示第一の所為を窃盜教唆罪をもつて処断し

たのは相当である。加うるに被告人が右窃盜についてAと共同加功の意思があつた

事実は原判決の認定しなかつたところであるから被告人を窃盜の共同正犯をもつて

処断すべしとの論旨は採用に値しない。そうして判示の事実関係において窃盜教唆

と賍物故買の別個独立の二罪が成立すること当裁判所判例(昭和二四年(れ)第三

六四号同年七月三〇日第二小法廷判決参照)の示すところであつて論旨は理由がな

い。

同第二点について。

刑法第五四条後段の牽連犯が成立するためにはある犯罪と他の犯罪との間に通常

手段又は結果の関係があることが必要であつて、被告人が主観的にある犯罪を他の

犯罪の手段として行つたということだけでは足りないのである。そうして窃盜教唆

と賍物故買との間には通常手段又は結果の関係はないのであるから、被告人が賍物

故買の手段として窃盜教唆を行つたものであつても牽連犯にあたるものでなく両者

は併合罪の関係に立つものというべきであるから原判決の擬律は正当であつて論旨

は理由がない。

被告人の上告趣意は事実誤認の主張であつて適法な上告理由とならない。

よつて刑訴施行法二条旧刑訴法四四六条を適用し主文のとおり判決する。

右は裁判官全員一致の意見である。

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検察官長部謹吾関与

昭和二五年一一月一〇日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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