大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和25(れ)1596 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人AことB提出の上告趣意について。

右は先ず、原裁判所は証人Cの訊問に当り、被告人に右証人に対する反対訊問を

許さなかつた旨主張するのである。そこで之が事実とすれば、原裁判所の訴訟手続

には憲法第三七条第二項違反の違法があることになるのであるが、公判期日におけ

る訴訟手続は公判調書のみによつて証明することになつておるから(旧刑事訴訟法

第六四条)、右主張の証人Cの訊問の行われた昭和二五年七月五日の原裁判所の公

判調書を調べて見ると、裁判長は右証人に対し幾多の訊問を行つた後、中沢弁護人

は裁判長に告げ、右証人に対し訊問をし、次いで、裁判長は被告人に対し「証人の

証言について何か陳述することがあるか」との問に対し、被告人は「証人の供述は

皆嘘であるから何も言う事はありません」と答えた各記載がなされていることが明

瞭である。してみると、被告人の人告趣意に主張する「……」一言も発言を許され

ず証人が退廷しました……」との主張は信用することができず、従つて被告人のこ

の点の主張は取り上げることができない。次に被告人は原裁判所判決の認定した事

実及びその量刑にも不服があるような主張をするのであるが、原裁判所の適法にし

た「事実の認定並びに刑の量定」に対する不服については、法律審である当裁判所

に対する上告の理由とすることは法律上許されないものであるから(日本国憲法の

施行に伴う刑事訴訟法の応急的措置に関する法律第一三条第二項)、之等の点も亦

取り上げるわけにはゆかないのである。それ故本件上告はすべて理由のないことに

なる。

よつて、刑事訴訟法施行法第二条旧刑事訴訟法第四四六条に従い主文のとおり判

決する。

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この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。

検察官 安平政吉関与

昭和二六年三月二日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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