大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和25(れ)1794 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人八木下繁一の上告趣意第一点について

所論は厚生省令たる麻薬取締規則に罰則を定めたことは違憲であると主張するが、

同規則は昭和二〇年勅令第五四二号「ポツダム宣言ノ受諾ニ伴ヒ発スル命令ニ関ス

ル件」に基いて厚生省令をもつて制定され、必要な罰則を設けられたものであつて、

しかも同勅令が日本国憲法にかかわりなく憲法外において法的効力を有するもので

あることは当裁判所判例(昭和二四年(れ)第六八五号、同二八年四月八日大法廷

判決)の示すところであるから、同規則の罰則はもとより有効であり、違憲の論旨

は前提を欠き理由がない。

同第二点並びに弁護人樫田忠美の上告趣意第一点について

麻薬取締法附則第七四条によれば、麻薬取締規則廃止前の同規則違反の行為につ

いては、その廃止後もなお同規則を適用処断すれば足り、麻薬取締法の罰則との間

に刑法第六条を適用する余地なきこと明らかである(昭和二四年(れ)第二五五一

号、同二五年三月二四日第二小法廷判決参照)。しかしその場合においても、行為

後罰金等臨時措置法により罰金額に変更があつたことについては、刑法第六条の適

用が除外されるものと解すべきではない。されば原判決が同規則廃止前の違反行為

をその廃止後処断するにつき、専ら同規則の罰則を適用し、更に行為後の罰金等臨

時措置法による罰金額の変更につき刑法第六条を適用したことは、いずれも正当で

あつて、論旨はいずれも理由がない。

弁護人樫田忠美の上告趣意第二点並びに第三点について

論旨は主として量刑不当の主張であるから、刑訴応急措置法第一三条第二項によ

り上告適法の理由とならない。なお同条項の規定は上告審をして旧刑訴第四三四条

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第三項に基く職権調査の手続を省かしめる立法趣旨であり、また同条項の規定が毫

も国民の基本的人権を侵害することにならないことは当裁判所判例の示すところで

ある(昭和二四年(れ)第一五八一号、同二五年一一月二九日大法廷判決、昭和二

二年(れ)第五六号、同二三年二月六日大法廷判決参照)。

よつて刑訴施行法第二条旧刑訴法四四六条により裁判官全員一致の意見で主文の

とおり判決する。

検察官 安平政吉関与

昭和二八年七月一〇日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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