最高裁判所第二小法廷 昭和25(れ)860 判決
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人豊川重助、同河和金作の上告趣意第一点について。
原判決は、判示第一、第二の事実中被告人の所為に関して、原審公判における被
告人の判示同趣旨の供述を採証した趣旨と解すべきで、その結果生じた傷害の点に
ついては、原判決は、他の証拠によつてこれを認めた趣旨を明らかにしているので
あるから、原判決に、所論のような違法ありとすることはできない。
同第二点乃至第四点について。
判示被告人の暴行に因つて生じた傷害の事実は、いずれも原判決挙示の証拠によ
つて認めることができる。又被害者の証言について、特にその証拠価値を制限すべ
き何等の法規上の根拠はなく、この点に関する所論は、畢竟、原審の自由裁量に属
する証拠の採否を攻撃するに過ぎない。所論憲法論の本件に適切でないことは当裁
判所屡次の判例の示すところによつて明らかである。論旨はいずれも採用すること
ができない。
同第五点について。
所論は、本件公訴提起の不適正を主張するに過ぎないもので、かりに、所論のよ
うな事実ありとしても、ために原判決に所論のような違法あることをみとめるべき
何等の根拠はない。
同第六点について。
所論は原判決の量刑の不当を主張するもので、上告適法の理由とならない。所論
違憲論の当らないことは、亦、当裁判所数次の判例の示すところによつて明らかで
ある。
よつて、刑訴施行法二条、旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。
- 1 -
右は全裁判官一致の意見である。
検察官 福島幸夫関与
昭和二五年一二月一日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 霜 山 精 一
裁判官 栗 山 茂
裁判官 小 谷 勝 重
裁判官 藤 田 八 郎
- 2 -