大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和25(れ)870 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人渡邊吉男の上告趣意第一点について。

原審第一二回公判においてさきに原審が喚問することに決定した原審弁護人の請

求にかかる証人A、同Bに対する証拠決定を取消し、該請求を却下していることは

所論のとおりである。しかし証拠調の範囲並びに限度は事実審裁判所である原審の

自由裁量にまかされているところであるから一度採用することに決定した証人であ

つてもその後取調の必要がなくなつた場合その決定を取消し証人の取調をなさずに

被告人を処断してもその為に原判決に審理不尽の違法があるとはいえない。従つて

論旨は理由がない。

同第二点について。

原審第一一同公判調書に原審裁判長が第一回、第八回公判調書記載の各書類及び

第一回公判調書、第八回公判調書について証拠調を行つた旨の記載がある。よつて

論旨指摘の右第一回公判調書を見ると同公判廷において原審裁判長が一、逮捕手続

書一、司法警察官意見書一、各訊問調書、各聴取書一、各被害届(以下省略)につ

いて証拠調をした旨の記載のあることは認められるが所論のように「各証人調書」

について証拠調を行つた旨の記載は全然ない。そして右各訊問調書が記録中に存す

る被疑者Cに対する司法警察官の訊問調書及び同人に対する判事の強制処分におけ

る訊問調書を指すことは記録上疑いのないところである。所論は畢竟前記「各訊問

調書」なる記載を「各証人調書」と読み誤つたことに起因するものであつて原判決

には所論の如き違法は更にない。論旨は理由がない。

よつて刑訴施行法第二条旧刑訴第四四六条により主文のとおり判決する。以上は

裁判官全員の一致した意見である。

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検察官 小幡勇三郎関与

昭和二六年三月二三日

最高裁判所第二小法廷

裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判長裁判官塚崎直義は退官につき署名押印することができない。

裁判官 霜 山 精 一

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