大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和25(オ)382 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告理由第一点について

原審の認定した本件家屋の売買の経過を見ると、Dと被上告人との間において昭

和二三年一一月一八日売買の予約をなし、同年一一月三〇日までに売買契約を締結

することを約し、同時に右売買予約による所有権移転の請求権保全の仮登記を為し、

更に同日売買の本契約を結び、同二四年三月一日売買の本登記(登記原因を証する

書面には所有権取得の年月日として昭和二四年三月一日と記載してある)を経由し

たというにあり、本件売買契約が上告人主張の如く和解を条件としたものであるこ

とは、原審の認定しないところであるのみならず右昭和二三年一一月三〇日は売買

本契約締結義務の履行を定めたにすぎないと解するのが相当である。従つてこれと

異る前提の下に本件売買予約の失效又はその登記の不備をとなえ、原判決の法律解

釈が違法であるとする論旨は、原判決の認定しない事実を前提として、独自の見解

により原判決を非難するものであつて、採用することを得ない。

同第二点、第三点について

所論は、結局原判決の事実認定を非難するに帰し、上告適法の理由にならない。

同第四点について

本件売買契約が和解を条件とするものでないことは、第一点について説明したと

おりであるから、右和解の效力を云為して本件売買契約の效力を否定する論旨は理

由がない。

同第五点について

登記原因としての売買の日時が真実に副はないとしても、現実の権利状態に適合

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する以上、それだけでその登記を無效であると解すべきではない。又証拠の取捨選

択は専ら原審の裁量に属するところであるから、原審が所有権取得の日時につき所

論甲第一号証同第二号証の記載を採らず、他の証拠によつて右所有権取得を昭和二

三年一一月一八日と認定したとて、採証の法則に反するものではない。論旨は理由

がない。

よつて民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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