最高裁判所第二小法廷 昭和26(あ)2052 判決
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人小泉英一の上告趣意第一点について。
しかし刑訴三八六条一項一号にもとずく控訴棄却の決定は控訴申立人が期間内に
控訴趣意書を控訴裁判所に差し出さないときに限つてなされるものであつて、本件
におけるごとく期間内に弁護人坂谷由太郎から控訴趣意書を提出した場合にはその
適用がないことは同条の文意に徴し明かといわねばならない。従つて原審が弁護人
坂谷由太郎の控訴趣意について判断を加えた上、判決で控訴を棄却し、所論のごと
き控訴棄却の決定をしなかつたことは正当というべきであるから、論旨は憲法違反
の前提を欠くことになり採用できない。
同第二、第三点について。
論旨はいずれも原審において主張判断を経ない事項であるから上告趣意として適
法でない。
同第四点について。
しかし控訴趣意は第一審の量刑が不当であることを論じつゝ、その中の(四)に
おいて「本件被告人の行為は純然たる業務上の横領と云うよりは背任又は単純横領
として観察すべきを適当とするものと思料する」と述べているので、原審はこれに
対して「控訴趣意に主張するような事実誤認は認められない」と説示したと解せら
れるので何等所論のごとき違法はない。
同第五点について。論旨は刑訴四〇五条の適法の上告理由に当らない。のみなら
ず記録を調査しても同四二条二号を適用すべき案件とも考えられない。
よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
昭和二八年三月六日
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最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 霜 山 精 一
裁判官 栗 山 茂
裁判官 小 谷 勝 重
裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 谷 村 唯 一 郎
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