最高裁判所第二小法廷 昭和26(あ)2113 判決
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人小関藤政の上告趣意第一点について
第一審判決は「判示冒頭より被告人Aが判示B方に現金が沢山あることを聞いた
というまでの事実」を「前記認定の事実」といつて、それを前提として他の挙示の
証拠を綜合して判示「その余の事実」即ち罪となるべき事実を認定しているのであ
る。右「前記認定の事実」は第一審判決がその挙示する各証拠で認めた事実であつ
て証拠そのものではないから、第二審判決が証拠により認定した事実は又一個の事
実として証拠となりうると言つてはいるけれども、それは訴訟法上にいう証拠とい
う趣旨ではなく判示事実を認定するに至る中間において認定した事実を指すもので
あつて、そしてそれが証拠に基くものである以上それを判示事実認定の資料に供す
ることはもとより適法であるといわなければならない。それ故論旨は採用できない。
同第二点について
所論は原判決が第一審判決の量刑を容認したのに対し、それは単なる量刑の問題
ではなくして刑法二四〇条の真意を誤り実体法の適正な適用をしなかつたものであ
るから憲法三一条に違反するものであると主張するのである。しかしこの主張もま
た第一審判決が実体法の適正な適用をしなかつたというに帰するものであつて、そ
して右主張は原審で申立てず且原審の判断を経なかつたものであるから、原判決に
對する不服の申立として不適法であると斷ぜざるをえない。それ故論旨は採用に値
しない。
よつて刑訴四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
昭和二七年三月二八日
最高裁判所第二小法廷
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裁判長裁判官 霜 山 精 一
裁判官 栗 山 茂
裁判官 小 谷 勝 重
裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 谷 村 唯 一 郎
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