大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和26(あ)3266 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人星野国次郎の上告趣意について。

記録によれば、第一審判決が被告人に対し懲役六月(但し五年間刑の執行猶予)

及び罰金二万円を科したのに対し検察官から右判決言渡当時の昭和二六年二月一四

日において被告人は前科の懲役一年の刑の執行を終つた日より七年を経過していな

いから被告人に対しその執行を猶予することは法令の適用を誤つたものであるとし

て控訴を申立てたのに対して原審公判において弁護人堀部先之助は「一、本件控訴

は理由あるものとす。二、その理由。検審官提出の控訴趣意書と全く同一の理由に

基くものであるから省略する」と答弁書にもとずいて述べたことが認められる。

原審はこれを容れ第一審判決には法令の適用に誤があつてその誤が判決に影響を

及ぼすことが明らかであるとしてこれを破棄した上、第一審が証拠によつて確定し

た事実に法令を適用して被告人を懲役六月及び罰金二万円に処したのである。即ち、

原審の当時においては、法令上刑の執行を猶予し得る状態にあつたことは所論のと

おりであるけれども、原審は諸般の情状を考慮した上、懲役刑について執行猶予を

附するのは適当でないと考えたから実刑を科したものであつて、これを目して違法

ということはできない。もつとも原審が実刑の懲役六月を科するに当り、何等その

間の説明を加えなかつたのは、特に本件のごとき場合、妥当を欠く嫌いがないでは

ないが、記録を調べてみても原審の量刑が甚しく不当であつて原判決を破棄しなけ

れば著しく正義に反するとは未だ認め難いのである。要するに論旨は採用できない。

その他記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

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昭和二八年四月三〇日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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