大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和26(あ)362 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人矢部克己の上告趣意第一、二点について

所論は第一審判決の判示第一、三、四の事実につき詐欺罪の成立を認容した原審

の判断は判例違反であるというのであるが、所論引用の当裁判所判例は、ある場所

で従来主食の配給を受けていた者が転住又は旅行したとしても、直ちに従来の場所

で配給を受けることが許されなくなるわけではないから、現在していないものを現

在しているように装つて配給を受けたというだけでは、詐欺罪を構成しない場合が

あるというのであつて、本件のように初めから架空の世帯を作り、配給所係員を欺

罔して主食の配給を受けた場合においては、たとへ右架空世帯の受配名義人の中に、

偶々実在人があるとしても、詐欺罪の成立することは論を俟たないところであつて、

所論引用の判例はかゝる場合においても、その実在人につき他の場所で配給を受け

ているか否か、行衛不明であるか否か等を明らかにしなければその者に関しては詐

欺罪の成立を認めることはできないという趣旨ではないのであるから原判決の判断

は何等右判例に反するものではない。論旨は理由がない。

同第三点について

所論は量刑不当の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二八年一月一六日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

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裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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