最高裁判所第二小法廷 昭和26(あ)3788 判決
主 文
本件各上告を棄却する。
理 由
被告人両名の弁護人長崎祐三の上告趣意について、
論旨(一)引用の判例は銃砲等所持禁止令にいわゆる「所持」に関するものであ
つて、本件事案と事実関係を異にするばかりでなく、原判決は昭和二二年政令第一
六五号第二条にいわゆる「所持」の中には「処分権能を有する所持の外なおその目
的動機の如何を問わず、凡ゆる現実所持一般をも包含するものと解するを相当とす
る」と判示しているにすぎないのであるから、何ら右判例と相反する判断を示した
ものではない。また、論旨(二)引用の大審院判例は刑事被告人が自己の犯罪につ
き虚偽の陳述をした場合の罪責に関するものであつて、本件事案には適切でない。
従つて、所論判例違反の主張は採用することができない。なお記録を調べても、刑
訴四一一条を適用すべきものとは認められない。 (他人から預つた物を他に届け
た以上、その間預つた物を事実上「自分の支配し得べき状態」に置いたものである
ことはいうまでもない)。
よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
昭和二八年五月一五日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 霜 山 精 一
裁判官 栗 山 茂
裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 谷 村 唯 一 郎
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