大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和26(あ)4083 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告人本人の上告趣意について。

論旨は刑訴四〇五条に定める適法の上告理由に当らない。また同四一一条を適用

すべきものとは認められない。

弁護人山田嘉八の上告趣意について。

第一審第四回公判調書によれば検察官は所論のごとき立証趣旨のもとに検察事務

官作成のAに対する供述調書の取調を請求したのに対して弁護人は右の書面を証拠

として取り調べることに異議はないと述べ、被告人は右書面を証拠とすることに同

意したもので裁判所は証拠調を施行したこと、しかもその施行後、裁判所は被告人

及び弁護人に対し右供述調書の供述内容について意見があるかどうかを尋ねたとこ

ろ、被告人及び弁護人は「供述内容について何も申述べる意見はありません。」と

述べたことが明らかである。従つて右の書面の供述の一部に被告人の供述をその内

容とするものがあつても刑訴三二六条により証拠能力を有するに至つたものといわ

ねばならない。よつて事実審たる第一審裁判所が右の書面を採証した趣旨が原審の

説示解釈のごとく「被告人自身が木材を筏つた」との事実を認めるにあつたとして

も必ずしも違法ではない。又、証拠として挙示した趣旨を所論の立証趣旨に限定し

てもこれと他の挙示せる証拠と綜合考察するときは判示事実は自ら限定しえられる

のであるから、いずれにするも論旨の主張する憲法違反の前提たる事実はその根拠

を欠くことになつて、採用しえない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で

主文のとおり決定する。

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昭和二八年五月二七日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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