大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和26(あ)4203 判決

主 文

原判決を破棄する。

被告人を懲役六月及び罰金三千円に処する。

右罰金を完納することができないときは金二〇〇円を一日に換算した期

間被告人を労役場に留置する。

本件公訴事実中連合国占領軍財産等収受所持禁止令違反の事実について

は被告人を免訴する。

理 由

弁護人鈴木義男、同河野太郎の上告趣意第一点について、

所論は憲法三一条違反を云為するが、その実質は単なる訴訟法違反の主張であつ

て、刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。(なお、第一審における訴訟手続の経

過は所論のとおりであるが、被告人は第一審において公訴犯罪事実を認めて争わず

弁護人も被告事件については特に陳述することはないと述べているし(一〇丁)、

殊に検察官は、証拠とすることについて被告人の同意を得て書証の取調を請求した

のに(一一丁裏)、被告人及び弁護人は右証拠調請求に異議はないと述べているの

であり、しかも右証拠調実施後被告人及び弁護人はなんらの異議の申立もしていな

いのであるから、本件においては被告人は検察官の取調請求にかかる所論の各書証

を証拠とすることに同意したものと認めるのを相当とする。従つて、第一審の訴訟

手続に所論の違法はない。)

同第二点は、連合国占領軍財産等収受所持禁止令違反の犯罪事案にのみ関する論

旨であるがこの事実については免訴の言渡をすべき場合であるから判断を与えない。

しかし、職権を以て調査すると、本件公訴事実中連合国占領軍財産等収受所持禁

止令違反の事実(第一審判決を引用した原判示二の事実)については、昭和二七年

政令一一七号第一条八三号により大赦があつたので刑訴四一一条五号四一三条但書

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四一四条四〇四条三三七条三号により原判決(但し有罪部分)を破棄し、被告人に

対し右公訴事実について免訴の言渡をなすべきものとする。

よつて、右大赦にかゝらない事実、すなわち原判示一の事実(但し第一審判決引

用)を法律に照すと、被告人の所為は麻薬取締法四条三号五七条(但し、情状によ

り懲役及び罰金を併科する。なお罰金刑については罰金等臨時措置法二条四条を併

せ適用する)刑法四五条前段四七条一〇条四八条二項を適用し、被告人を懲役六月

及び罰金三千円に処し、なお右罰金を完納することができないときは同一八条によ

り金二百円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置すべきものとする。

この判決は、全裁判官一致の意見である。

公判出席検察官 浜田龍信。

昭和二八年一月一六日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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