大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和26(あ)972 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人池邊甚一郎上告趣意第一点について。

記録を調査したところによると原審における昭和二六年一月八日午前一〇時の公

判期日通知が原審弁護人池邊甚一郎になされた形跡の認められないことは洵に所論

のとおりである。しかし昭和二六年一月八日附原審公判調書の記載によると前記公

判期日には右弁護人が出廷し同弁護人提出の控訴趣意書に基き適法に弁論している

ことが認められるのである。さすれば原審において同弁護人に対し被告人の為弁護

する機会を与えなかつたというわけのものではなく、その他記録を精査しても原審

において同弁護人の弁護権の行使を不法に制限したことを窺うに足る形跡は何処に

もない。畢竟論旨は、その違憲を前提とする事実が認められないのであるから到底

採用し得ない。

同第三点について。

原判決を精読すると同判決は事後審として唯第一審判決に事実誤認のないことを

同判決が証拠に供している所論第一審相被告人Aの第一審公判廷における供述によ

つて説明しているに過ぎないのであつて所論のように原判決が右第一審相被告人の

供述によつて事実を認定しているものでないことは同判決自体によつて明らかであ

るばかりでなく前記第一審相被告人の供述を罪証に供することは違憲である旨の所

論は原審においても主張し得たものであるに拘らずあえて主張せず従つて原判決に

おいて全然判断していないところである。さすれば論旨は不適法であるといわなけ

ればならないのであつて到底採用に値しない。

同第二点及び同第四点乃至第六点について。

所論はいずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を精査しても同四

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一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見である。

昭和二六年六月二九日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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