大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和26(れ)147 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人新垣進の上告趣意は末尾添附のとおりである。

よつて按ずるに、憲法第三六条にいわゆる「残虐な刑罰」とは、不必要な精神的、

肉体的苦痛を内容とする人道上残酷と認められる刑罰を意味し、事実審裁判所が普

通の刑を、法律において許された範囲内で量定した場合には、それが被告人側から

見て過重の刑であるとしても直ちにこれを「残虐な刑罰」ということはできないこ

とは当裁判所の判例とするところである。(昭和二二年(れ)第三二三号同二三年

六月二三日大法廷判決)そして、刑の執行猶予を言渡すか否かは事実審裁判所が諸

般の情状を考慮して自由に決し得るところであるから、原判決がその判示の如き事

実を認定し被告人に対し、所論の刑を言渡し、その刑の執行を猶予しなかつたから

といつて、何等法律に違反するものではないばかりでなく、これを残虐な刑罰に処

したものともいえない。所論は要するに、原審の自由裁量に属する刑の量定を非難

するに帰し、上告適法の理由とならない。

よつて刑訴施行法第二条、旧刑訴第四四六条に則り主文のとおり判決する。

この裁判は、裁判官全員一致の意見によるものである。

検察官 平出禾関与

昭和二六年六月八日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

- 1 -

裁判官 谷 村 唯 一 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!