大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和26(れ)2202 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人Aの弁護人上山義昭の上告趣意について

しかし原判決は「被告人Aは絹製品販売業者B産業株式会社C支店のD課長とし

て昭和二一年商工省令第一七号絹織物及び絹メリヤス生地の検査及び蒐荷に関する

件の施行に際し実際上その事務を担当していたものであるが……所定の検査申請を

なさず」と判示しているのであるから右商工省令一七号第六条の法人の使用人がそ

の法人の義務に関し乙第五条第一項の違反行為をしたときに該当するものとして被

告人を処断したものであることは判文上明瞭である、論旨は被告人Aが当該法人の

検査申請義務者でないことを主張して原判決を非難するものであるから適法の上告

理由に該らない。また所論に判例違反を主張する部分もあるが、その判例を具体的

に掲げていないからこの点の所論も上告適法の理由とならない。

被告人Eの弁護人上山義昭の上告趣意第一点について

論旨は事実誤認の主張であるから刑訴四〇五条に該らない。

同第二点について

原審において弁護人及び被告人が論旨一、及二主張の如く事実関係の主張をして

いることは記録上明らかである、しかし原判決は被告人Eは法定の除外事由なく営

利の目的を以てFに対し羽二重を統制額を超えた価格で売渡した事実を認定してい

るのであつて所論の原審における主張は右事実を否認することを前提とするもので

ある、従つて原判決の如く右事実を肯定する以上所論は本件犯罪事実に対する期待

可能性の主張と認めることはできないのであるから原判決がこれに対して何等の判

断を示さなかつたことは少しも違法とはいえない、要するに旧刑訴三六〇条二項の

違反を主張する本論旨はその前提を欠くものとして採用できない。

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同第三点について

所論は原判決の旧刑訴三六〇条二項違反が憲法一三条に違反すると主張するもの

であるが原判決には所論の如き旧刑訴違反の存しないことは前点に対して説明した

とおりであるから論旨はその前提を欠くものであつて採用できない。

なお記録を精査しても本件につき刑訴四一一条を適用すべきものとは認められな

い。

よつて刑訴施行法三条の二、刑訴四〇八条により主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見である。

昭和二七年三月一四日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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