最高裁判所第二小法廷 昭和26(れ)2309 判決
主 文
本件各上告を棄却する。
理 由
被告人Aの弁護人米村嘉一郎の上告趣意第一点及び第二点について
しかし、所論指摘の原判決舉示の各証拠を仔細に檢討するに、その供述記載の趣
旨は、いずれも原判示の如く、判示事実と同旨若しくはこれに照応する被害顛末で
あることが認められるのである。論旨は供述記載中被告人に有利な部分のみを抽出
し獨自の見解に立つて原判決を非難するに過ぎない。論旨は理由がない。
同第三点について
しかし原判示第二の事実は、被告人Aが、被告人B、C、D、E、F等と共謀の
上Gを難詰するため、同人方居宅内に不法に侵入した事実であり、同第三の事実は、
被告人Aが、右の如くG方に侵入した際、右Cと共同して、Gの妾であるHに、多
衆の威力を示して暴行脅迫を加えた事実であつて、右二個の行為は、彼此別個に考
察すべきものである。従つてその間、互に手段結果の関係にあるものと解すべきも
のではないから、原審が右二個の行為を併合罪として処斷し、牽連犯と認めなかつ
たのは正当であり、論旨は理由がない。
被告人Bの弁護人工藤愼吉の上告趣意について
しかし、原判決舉示の証拠を仔細に検討するにこれら諸証拠を綜合すれば、原判
示の如き被告人の不法侵入の事実を肯認するこξができるから、原判決には所論の
如き違法はない。論旨は理由がない。
よつて、刑訴施行法二条、舊刑訴四四六条に従い、全裁判官一致の意見を以て主
文のとおり判決する。
檢察官平出禾關與
昭和二六年一二月二八日
- 1 -
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 栗 山 茂
裁判官 小 谷 勝 重
裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 谷 村 唯 一 郎
- 2 -