大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和26(れ)919 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

各被告人弁護人宮田勝吉の上告趣意について。

憲法三七条二項は刑事被告人はすべての証人に対して審問する機会を充分に与え

られる権利を有する旨規定しているに過ぎないのであつて、裁判長の被告人に対す

る個々の尋問に対する被告人の供述が他の共同被告人に不利益であつた場合、裁判

長がその都度当該他の共同被告人に反対尋問するように注意するとか、その共同被

告人又は弁護人に対しその都度現実に反対尋問する機会を与えることまでも規定し

たものでなく、さらに又現実に反対尋問されなかつた当該共同被告人の供述を罪証

に供することを禁止したものではない(昭和二四年(つ)九三号同二五年三月六日

大法廷決定参照)。そして記録によれば第一審及び原審における被告人等に対する

裁判長の尋問応答は所論のとおりであるが、被告人等は共同被告人として併合審判

を受けながら互に反対尋問の請求をせず、かつ裁判長がその反対尋問の機会を妨げ

た形跡は毫も認められないのであるから被告人等は互に反対尋問の機会を適法に与

えられたものというべく論旨の理由のないこと明らかである。

よつて刑訴施行法三条の二、刑訴四〇八条により全裁判官一致の意見で主文のと

おり判決する。

昭和二六年一一月三〇日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 垂

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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