大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和27(あ)1159 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人宮田光秀の上告趣意は憲法違反を云為するけれども実質は未決勾留の不当

及び原審の裁量に属する未決算入を非難するにあつて刑訴四〇五条の上告理由に当

らない。また本件記録を精査すると第一審判決は前後四回にわたつて公訴を提起せ

られた窃盗及び賍物収受の公訴事実を併合審理の上昭和二六年四月二五日言渡され

たものであるところ、昭和二六年三月一七日に提起せられた窃盗の公訴事実につい

ては勾留状が発せられていて、これが同年五月一七日及び同年六月一五日に勾留更

新決定があつたのであるが、その後原審が右勾留更新をなすに際し誤つて昭和二六

年四月三日に提起せられた窃盗の公訴事実につき起訴前の同年三月八日に発せられ

執行後十日を経た同年三月一七日をもつて失効していた勾留状に基き勾留更新決定

がなされ、その後も同様の書損が累ねられたことが認められる。従つて原審が第一

審判決を破棄自判するに際し、昭和二六年三月八日附勾留状に基く未決勾留日数中

三〇日を本刑に算入する旨言渡したのは、実在する未決勾留日数一〇日を除いては

算入するに由なきものであるけれども形式的には被告人の利益になつているのであ

るから、この点の非難は結局被告人に不利益な主張であつて採用できない(昭和二

四年(れ)第一九八〇号、同二五年九月五日第三小法廷判決参照)。而して右二個

の勾留状に記載の犯罪事実は共に第一審及び原審において適法に有罪と認定せられ

且つ勾留継続の必要性も認め得られるから右勾留更新決定に関する書損によつては

毫も被告人の実質的な権利を害したものとはいえない。それ故本件において刑訴四

一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で

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主文のとおり決定する。

昭和二八年三月一一日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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