大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和27(あ)2904 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人馬渕健三の上告趣意第一点について。

所論は違憲をいうけれども、その実質においては単なる訴訟法違反を理由とする

主張に帰し、刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。もつとも、第一審第三回公判

調書には、「検察官は……刑事訴訟法第三二八条により、四、Aの麻薬取締官作成

第一回供述調書一の各取調べを請求した」と明記されているから、そのあとに、「

被告人及弁護人は、右各書面の取調べに異議なく之を証拠とするに同意する……旨

述べた」とあるのは、Aの供述調書についてはこれを事実認定の証拠とすることに

同意(刑訴三二六条にいう同意)した趣旨でないことが明瞭である。従つて、第一

審判決が右供述調書を犯罪事実認定の証拠の一つとして挙示していることは、まこ

とに所論のとおり違法であり、原判決が被告人側の同意を理由としてこれを適法な

採証と解したことは、誤であるといわなければならない。しかし、右供述調書を除

外しても、第一審判決挙示の他の各証拠により本件犯罪事実は充分に認定しうるも

のと判断されるから、右違法は判決に影響を及ぼさず、したがつて刑訴四一一条一

号を適用すべき事由とはならない。

同第二点及び第三点について。

所論は事実誤認、量刑不当の主張に帰し、適法な上告理由にあたらない。また記

録を調べても本件につき刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて刑訴四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のと

おり決定する。

昭和二八年一〇月一九日

最高裁判所第二小法廷

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裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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