大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和27(あ)3289 判決

主 文

第一審判決及び原判決を破棄する。

被告人を懲役十月に処する。

但しこの裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

第一審における訴訟費用中、証人A、同B、同C、同D、同E及び同F

に支給した分は、被告人の負担とする。物価統制令違反の事実について被告人を免

訴する。

理 由

弁護人古屋福丘の上告趣意第一点及び被告人の上告趣意について。

所論はいずれも審理不尽、事実誤認の主張であつて、適法の上告理由にあたらな

い。

右弁護人の上告趣意第二点について。

所論は刑訴四一一条五号の事由を主張するものであつて、適法の上告理由にあた

らない。

しかし、職権を以て調査すると、本件公訴事実中、物価統制令違反の事実は、地

下足袋に関する物価統制令三三条の罪にかかり、この罪については、原判決後昭和

二七年政令第一一七号大赦令一条八七号により大赦があつたものである。そこで、

刑訴四一一条五号、四一三条但書により第一審判決及び原判決を破棄し、当裁判所

において更に判決することとし、右罪については同四一四条、四〇四条、三三七条

三号により、被告人を免訴すべきものとする。

なお右事実と併合罪の関係にあつて大赦にかからない、第一審判決が適法に確定

した同判決摘示第一の事実に法律を適用すると、被告人の所為は刑法二四六条一項

に該当するから、所定刑期の範囲内において被告人を懲役十月に処し、但し情状に

かんがみ刑法二五条を適用して、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予す

- 1 -

べきものとし、第一審における訴訟費用中主文第四項記載のものは、刑訴一八一条

により被告人に負担させることとする。

よつて主文のとおり判決する。

この判決は、裁判官全員一致の意見である。

検察官 浜田龍信関与

昭和二八年三月二七日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!