最高裁判所第二小法廷 昭和27(あ)4309 判決
主 文
本件各上告を棄却する。
理 由
被告人両名の弁護人小野善雄の上告趣意について。
論旨は原判決の「共謀の事実につき被告人の自白以外に証拠がなくとも強盗行為
自体に関する補強証拠がある以上有罪の認定を妨げないものと解すべきのみならず
云々」と判示した点が判例違反であるというのであるが、如何なる判例に違反する
かを明示していないから、かかる上告理由は不適法である。(なお右判示は当裁判
所の判例に反するものではなく、むしろ同旨の判例があるのである。昭和二二年(
れ)第六八号同二三年六月二三日大法廷判決、昭和二四年(れ)第二二九八号、昭
和二四年一二月二四日第二小法廷判決参照)。
被告人Aの弁護人森田重次郎の上告趣意第一点について。
所論は判例違反を主張するが所論引用の判例は「被告人の自白と補強証拠と相俟
つて全体として犯罪構成要件たる事実を認定し得られる場合には必ずしも被告人の
自白について一々補拠証拠を要するものではない」というのであつて原判示はこの
判例に少しも違反するところはない。また被告人は司法警察員及び検察官に対し被
告人B、C等と本件犯行を共謀したことを自白しているのであるが、本件において
は共同被告人の自白が右被告人の自白を補強するものであるのみならず仮に共謀の
事実に対する証拠が被告人の自白以外にないとしても、かかる犯罪の主観的要件に
該当する事実の如きは被告人の自白の外に補強証拠を必要とするものでないから、
論旨引用の原判示は正当である。従つて刑訴三一九条二項、憲法三八条三項違反の
主張はその理由なきものである。
同第二点について。
所論は事実誤認の主張であつて適法の上告理由にあたらない。
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同第三点について。
所論は量刑不当の主張であつて適法な上告理由にあたらない。
なお記録を精査するも本件につき刑訴四一一条を適用すべきものとは認められな
い。
よつて刑訴四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
昭和二八年一二月一八日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 霜 山 精 一
裁判官 栗 山 茂
裁判官 小 谷 勝 重
裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 谷 村 唯 一 郎
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