大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和27(あ)5540 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人小林賢治の上告趣意について。

記録によると、第一審判決が証拠に採用しているAの盗難被害届には、被害の場

所として「東京都品川区ab丁目c番地B電器株式会社C工業所D工場内倉庫事務

所机の下」との記載があるが(記録六九丁)、第一審第二回公判において被告人は

裁判官の質問に対して「d寮のA方で茶色革製短靴一足外一点を窃取した」旨を供

述しており(同一四三丁)、第一審判決は、被告人の当公廷に於ける自供の一部と

してこの被告人の供述も証拠に採用しているのであるから、所論窃盗の場所につい

ては、Aの盗難被害届の記載を措信しないで、被告人の右供述を採つて事実を認定

したものと認めることができる(なお、右盗難被害届に、被害者の住所は、東京都

品川区ae丁目f番地d寮内と記載されている)。されば、原判決が論旨摘示の説

示をしたことは相当であると認められるから、所論は結局事実誤認と単なる訴訟法

違反の主張にすぎないものといわねばならない(なお、右盗難被害届記載の犯罪の

日時、被害者及び窃取した物件は被告人の自白と一致しているのであるから、補強

証拠となりうること勿論である)。従つて所論はすべて刑訴四〇五条の上告理由に

当らない。また記録を調べても本件につき同四一一条を適用すべきものとは認めら

れない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和二九年七月一四日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

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裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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