大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和27(あ)6172 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人Aの弁護人後藤義隆の上告趣意第一点について、

憲法三八条三項によつて本人の自白を補強する証拠は、犯罪事実の全部にわたつ

て存することを必要とするものではなく、その証拠と本人の自白と相俟つて犯罪事

実の全部が認定されればよいのであることは当裁判所の判例とするところであるば

かりでなく(昭和二十二年(れ)第一五三号、同二三年六月九日大法廷判決参照)、

被告人が相被告人Bに譲渡した所論物件が塩酸モルヒネ並びに燐酸コデインであつ

たことに関する被告人の所論自白は第一審判決の拳示した爾余の証拠により優にそ

の真実性が保障されるから、論旨は理由がない。

同第二点について。

憲法三六条にいわゆる「残虐な刑罰」とは刑罰そのものが人道上残酷と認められ

る刑罰を意味し、法定刑の種類の選択又は範囲における量定の不当を指すものでは

ない(昭和二二年(れ)第三二三号、同二三年六月二三日大法廷判決参照)。従つ

て、論旨は理由がない。

同第三点について、

所論供述調書については、第一審第六回公判期日において、被告人はこれを証拠

とすることに同意しているばかりでなく(記録第一三〇丁)、右供述調書に記載さ

れた被告人の自白が係員の強要又は強制、拷問等によるものであるということは控

訴趣意において何ら主張されておらず、従つて、この点に関しては原判決に判断が

示されていない。所論は当審において新な事実を主張するものであつて、適法な上

告理由にあたらない。

被告人Bの弁護人辻丸勇次の上告趣意は刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。

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なお、記録を調べても、刑訴四一一条を適用すべきものとは認められないから、

同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二八年三月二〇日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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